長期優良住宅にするメリットは多い?2022年から基準が変わるの?
家は長く住む所です。子育てが終わってからも、終の棲家となるまで快適に安全に暮らせる家にしたい…と考えた時に、長期優良住宅にするという選択肢が出てきます。
長期優良住宅は、長い間、安心で快適な暮らしをする為に国が定めた基準を満たしている住宅を指します。優良な住宅を増やす目的で、税金や住宅ローンの優遇、国からの補助金が受けられます。
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長期優良住宅の暮らしとは?
日本では長らく、寿命の短い住宅が建てられ続けてきました。寿命が短いとは家自体が劣化して住みにくくなるというだけではありません。住宅性能が低く、季節に合わせて最適な室温に調整する為には、多くのエネルギーを消費してしまう暮らし難さがある家や、構造体はしっかりしているのに、ライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更したくても、制約が多すぎて思うような間取りにできない家も、暮らし続け難いという意味で、寿命の短い家と捉えられます。
その結果、日本の住宅は子どもが受け継がず、結婚した子どもは新しい家を建てるというケースが多くみられます。もし、子や孫の代まで住み続けられる家になれば、子や孫の代は住宅ローンの返済に追われることがなくなり、ゆとりのある生活ができます。また、社会的にも、古い家を取り壊すたびに排出される廃材を減らすことができます。
長期優良住宅には、このような視点から考えた基準が定められています。安全に暮らす為の基準として耐震性、長く暮らせる家にする為の基準として劣化対策と維持管理対策、維持保全計画、少ないエネルギーで快適に暮らす為の基準として省エネルギー性、家族全員がゆとりを持って暮らせるだけの家のする為の基準として住戸面積、街並みへの配慮のための基準として居住環境が定められています。
長期優良住宅の基準
長期優良住宅に定められている基準を具体的に確認していきましょう。
耐震性
耐震性には3種類の基準が定められています。
- 耐震等級2(倒壊等防止)
- 耐震等級1(倒壊等防止)かつ安全限界時の層間変形を1/100(木造の場合1/40)以下
- 品確法に定める免震建築物
『極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化をはかるため、損傷のレベルの低減を図ること』
地震大国の日本において、極めて稀に発生する地震は他人ごとではありません。長く安全に暮らす為には必要不可欠な性能です。
省エネルギー性
断熱性能等級4 『必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること』
少ないエネルギーで快適な室温を維持する為の基準です。エネルギー不足への不安が高くなっているとはいっても、エネルギーを節約する為に、冷暖房や照明を使わない生活はできません。暮らしの快適さを維持する為のエネルギーをできる限り少なくする性能が断熱性能です。
住戸面積
『良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること』
家には、家族のコミュニケーションを育む空間と同時に、それぞれのプライバシーを守れる空間も必要です。また、清潔さを維持する為に洗面所や浴室などに十分な面積を充てることも大切です。快適に暮らすことが実現できるだけの面積を持った家にする為の基準です。
劣化対策
劣化対策等級3 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
住宅には適切なメンテナンスが必要です。ただ、点検や修理をする度に非常な手間がかかってしまうと、その頻度は低下してしまいます。その為、点検や修理をしやすくする為に、木造住宅には『床下・小屋裏に点検口を設置、床下空間の有効高さ330mmを確保』という基準が定められています。
維持管理対策等級3(専用配管)維持管理・更新の容易性
『構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること』
この基準も住宅を長く良いコンデイションに維持するに定められています。
維持保全計画
『建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること』
劣化対策や維持管理対策を十分に活かす為に、新築時に建てる計画に対する基準です。
居住環境
『良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること』
周辺の景観に自然に馴染むという住宅の外観デザインや外構は、地域の居住環境を調える為に大切な要素です。
参考資料 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 「長期優良住宅」とは…
長期優良住宅以外には、省エネ住宅にするという選択肢もあります。新築する家を省エネ住宅にすることで、暮らしにどのような影響があるのでしょうか?
コラム 省エネ住宅とはどんな住宅?
2022年から変更される認定対象基準
2022(令和4)年から「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の法改正によって基準が変わります。既に施行されている改定と、今後施行される改定があります。
2022年10月1日に施行される改定
省エネルギー対策が断熱等性能等級4からZEH相当に変わります。
本来、ZEHとは、家庭で使うエネルギーをプラスマイナス0にする住宅です。ただ、それを実現する為には高額な費用がかかること、都市部などの地域には太陽光発電でエネルギーを創りだせない環境が多いことなどを踏まえ、ZEH相当となっています。
ZEH相当には、ZEH以外に「年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅」としてNearly ZEH、創エネができない85㎡未満の狭小地に建築された住宅に限定した「外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅」としてZEH Orientedがあります。
参考資料 ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>
コラム 吹き抜けの家は寒い?
2022年2月20日に施行された改定の中で、戸建て住宅に関する項目は2つあります。
- 認定手続きの合理化 手続きが一括でできるようになりました。
- 「自然災害による被害の発生防止又は軽減への配慮」が追加
災害リスクの高い地域は認定対象から除外、又は災害を防止する為の措置が求められるようになりました。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅には、将来設計を安定させられることと、税や住宅ローンの優遇が受けられるという2面からのメリットがあります。
将来設計を安定させられる
長期優良住宅は、子や孫の代まで安全で快適な家で安心して暮らせる家ですが、その他にも将来設計の選択肢が豊富にあります。長期優良住宅の認定を受けていると、売却や賃貸に関して有利な条件で取引が進められるからです。
引退後は家を売却して、海や山の近くで自然に囲まれてのんびり暮らしたいという希望も、夫婦だけになったら小さな家を建てて、自宅は賃貸にし、その家賃収入を住宅ローンに充てたいというような希望も、一般の住宅より高額で取引ができるので叶えやすくなります。
税や住宅ローンの優遇が受けられる
長期優良住宅は新築時に一般的な住宅よりも費用が嵩みますが、その分暮らし始めてからの光熱費が抑えられる他、税や住宅ローンの優遇が受けられます。
住宅ローンの控除額
令和4年(2022年)12月31日までに入居した場合、所得税から年末のローン残高の0.7%が13年間は毎年控除されます。一般の住宅の控除対象借入限度額は3,000万円であるのに対し、長期優良住宅の控除対象借入限度額は5,000万円です。期間は同じ13年なので、最大控除額に大きな差が出ます。
住宅ローンの金利
住宅金融支援機構と金融機関が連携して貸し出すフラット35の中でフラット35Sという住宅ローンを申し込めます。フラット35Sは、長期優良住宅など、省エネルギー性、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に、フラット35の借入金利を一定期間引き下げる制度です。
参考サイト 住宅金融支援機構 【フラット35】S
- 軽減 登録免許税、不動産取得税が軽減されます。
- 非課税限度額 贈与税の非課税限度額が一般の住宅より大きくなります。
- 減額措置 固定資産税の減額措置の適用期間が延長されます。
参考サイト 長期優良住宅に対する税の特例
長期優良住宅やZEHなど、建築時に費用をかければかけるだけ、快適な家が実現します。建築時にかかる費用と、暮らし始めてからのランニングコスト、家づくりの予算を考え併せた上で、どの程度の住宅性能を持たせるのかということを決めていくことが大切です。
コラム 新築住宅への補助金・2022年はこどもみらい住宅支援事業を活用しよう
BinOの家は、長期優良住宅に対応しています。長期優良住宅の認定を受けたい場合にはご相談ください。
テクノホームの家づくりへの想い
子や孫の代まで住み続けられる高品質な家
健康な暮らしを作るきれいな空気の家
家族がストレスを感じない間取り
住宅ローンに圧迫されない価格の家
家を建てたご家族が、テクノホームの家で、いつまでも幸せに暮らしてくださることが、私たちの願いです。
ご家族に寄り添って家づくりを進めます。
そして、お引渡しの後も、末永く、建てた家を、良い状態に維持できるよう、サポートさせていただきます。