
結論からお伝えすると、「低未利用土地等の100万円特別控除」は、100万円が現金で戻る制度ではありません。一定の要件を満たす土地を売ったとき、売却益にあたる長期譲渡所得から最大100万円を差し引ける制度です。譲渡所得が100万円未満なら、その譲渡所得額が控除上限となります。
久喜市で使っていない土地や古家付き土地を売る場合、売却価格、所有期間、都市計画上の区域、買主の利用予定などで適用可否が変わります。売った後には久喜市の確認書を取得し、税務署へ確定申告する必要があります。この記事では、2026年9月9日時点の一次情報をもとに、売る前から準備したい順番を整理します。
2026年の制度概要|適用期限は令和10年末まで
国税庁「No.3226」によると、対象期間は令和2年7月1日から令和10年(2028年)12月31日までです。令和8年度税制改正で、従来の期限から3年間延長されました。
この制度の目的は、利用されていない、または周辺と比べて利用程度が著しく低い土地を、新たに利用する人へつなぐことです。単に「しばらく使っていない」と感じるだけで自動的に対象になるわけではなく、久喜市による低未利用土地等確認書と、税務署での要件確認が必要です。
対象になり得るかを確認する判定表
| 確認項目 | 主な要件 | 売る前の確認資料 |
|---|---|---|
| 売主 | 個人であること | 登記事項証明書、本人の取得経緯 |
| 土地の状態 | 都市計画区域内の低未利用土地等 | 現況写真、利用状況、久喜市の様式 |
| 所有期間 | 売った年の1月1日時点で5年を超える | 登記事項証明書、取得時の契約書 |
| 売却価格 | 建物等の対価を含め500万円以下。一定区域は800万円以下 | 売買契約書、区域の確認 |
| 売主と買主 | 親子・夫婦など特別な関係ではない | 当事者関係の確認 |
| 売却後 | 買主が土地を利用する、または利用する見込みがある | 譲渡後の利用に関する確認様式 |
| 他の特例等 | 対象土地で一定の他特例を受けないなど | 前年・前々年の分筆、過去の申告も確認 |
所有期間は、売買日現在ではなく売った年の1月1日現在で5年を超えるかを判定します。また、売手と買手の「特別な関係」には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
500万円と800万円、久喜市内でも上限は一律ではない
原則となる譲渡価格の上限は500万円です。ただし、次の区域では800万円以下まで対象になり得ます。
- 市街化区域
- 区域区分を定めていない都市計画区域のうち、用途地域が定められた区域
- 所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域(上記2区域を除く)
久喜市内ならすべて800万円以下という意味ではありません。候補地がどの区域に該当するかは、住所だけで決めつけず、市の確認手続きで確かめます。また、土地上に古家などがある場合、その建物等の対価も含めて上限を判定します。
売却前から確定申告までの6ステップ
- 名義と所有期間を確認:相続未登記や共有者がいる場合は、売却できる状態を先に整えます。
- 現況を記録:空き地・空き家の利用状況を写真や資料で残します。久喜市は、空家状態を示す資料の一つとして水道中止証明書も案内しています。
- 区域と価格上限を確認:500万円か800万円かを自己判断せず、都市計画情報と市の様式を確認します。
- 買主の利用予定を確認:住宅、事業など、売却後に土地をどう使う予定かを仲介会社と買主へ早めに確認します。
- 売却後に久喜市へ申請:低未利用土地等確認申請書、売買契約書の写し、譲渡前後の利用を確認する書類などを提出します。
- 確認書を添えて確定申告:譲渡所得の内訳書、久喜市の確認書、売買価格を示す書類などを所轄税務署へ提出します。
久喜市の案内では、確認書の発行には通常2週間程度かかり、不備があればさらに日数を要します。確定申告の直前ではなく、売買契約後に余裕を持って申請しましょう。なお、市の確認書は特例適用を確約する書類ではありません。最終的な税務上の適用は税務署へ確認します。
「100万円控除」で実際に何が変わる?
譲渡所得は、一般に「売却代金-取得費-譲渡費用」で計算し、要件を満たせばそこから本特例の控除を行います。たとえば控除前の譲渡所得が80万円なら控除額は80万円まで、300万円なら控除後は200万円という考え方です。税額がそのまま100万円減るわけではありません。
また、取得費が分からない場合の扱い、相続した土地の取得費、仲介手数料・測量費・解体費などを譲渡費用に含められるかは、契約内容や支出目的で異なります。領収書と契約書を残し、税務署または税理士へ確認してください。
売却価格より「手取り」で比較する
特例の価格上限に合わせるためだけに、売出価格を下げる判断はおすすめできません。控除を受けた場合の税負担と、通常価格で売った場合の手取りを両方試算します。
売却代金-仲介・測量・境界・片付け等の費用-税金-必要な精算金=売却後の手取り
買主が見つかりやすい状態にする費用、売却までの固定資産税や管理負担、古家を残すか解体するかも含めて比較します。まずは不動産を売るページで売却の進め方を確認し、周辺の土地価格を見る際は「2026年公示地価で比較|埼玉東部5市町の土地価格と資産性」も参考にしてください。公示地価は個別土地の査定額ではないため、最終判断には個別査定が必要です。
よくある質問
Q1.申告すると100万円が振り込まれますか?
いいえ。対象となる長期譲渡所得から最大100万円を控除する制度です。実際に減る税額は、譲渡所得や他の適用条件によって異なります。
Q2.久喜市の土地を650万円で売る場合は対象ですか?
土地が800万円上限の対象区域にあり、所有期間、低未利用状態、買主の利用など他の要件も満たせば対象になり得ます。久喜市内でも区域により異なるため、市と税務署へ確認してください。
Q3.久喜市の確認書があれば必ず控除できますか?
必ずではありません。市も「特例措置を確約する書類ではない」と案内しています。確認書を含む必要書類を添えて確定申告し、税務署が税法上の要件を確認します。
まとめ|売る前に「区域・5年超・買主利用」を確認
久喜市で使っていない土地を売るなら、価格だけでなく、区域、所有期間、低未利用状態、買主の利用予定を早い段階で確認しましょう。売却後は市の確認書取得に通常2週間程度を見込み、確定申告までの書類を残すことが大切です。
テクノホームでは、高い査定額だけで判断せず、売却費用と税金を整理し、想定手取りから売却戦略を比較します。無料相談会を見る、または個別相談を申し込むからご相談ください。税務判断は税務署・税理士、登記判断は司法書士へご確認ください。
情報確認日:2026年9月9日。本記事は一般的な情報提供であり、特例の適用や税額を保証するものではありません。税制・様式は変更される場合があります。個別の適用可否は所轄税務署または税理士へ、久喜市の確認書は市の担当窓口へご確認ください。















